『私たちはお客様にどんな価値を伝えたらいいのだろう?』
~ジュエリーの価値、買う理由を考える
2022年ジャパン・ジュエリー・フェアで開催された初めてのJCミーティング
第1部ミニセミナーに登壇したときのテーマです
そもそも価値ってなんだろう?
本棚の隅にあった小学生時代に使っていた漢和辞典をひくと「あたい、ねだん、ねうち」
50年前の価値は値段で図れたわけです
いまネットで価値を検索すると「その事物がどのくらい役に立つのかの度合い」
半世紀で価値の意味が大きく変わっていました
私たちはお客様にどんな買う理由を伝えたらいいのか?
答えは「お客様を知る」ことで買う理由、伝える価値がわかります
お客様が買う理由はお客様の数だけあります
昔、お客様の買う理由は所有すること。みんな同じ方向を見て、同じものを求めていました
この時代は質の良い商品を作れば売れましたが、次第にそれだけでは売れなくなり消費者ニーズという言葉がでてきます
そしてお客様がインターネットを使うようになると「価値を売る」時代になりました
消費が成熟した現代社会では、モノとしての価値だけでは選ばれなくなったのです
昔のように「品質がいい」「希少性がある」「限定品」「お買い得」だけでお客様は買えなくなりました
物質的にも精神的にも満たされ、顕在化した欲求がなくなりました
今はお客様が意識していない「買う理由」を顕在化するのも販売員の仕事です
そのモノの価値、買う理由はお客様の心の中にあります
お客様の不満を見つけて価値を足そう!
コロナ禍でお客様が買わない理由で増えたのは「ジュエリーは着けて行くところがない」
昔からある断り文句ですが「お店に着けてきてください」ではお客様は納得しません
ジュエリーは「着けてお出かけして、みんなから褒められたり、羨ましがられる」という役割(価値・買う理由)だとしたら、そんなに使う機会はないので買おうと思いません
「褒められる・羨ましがられる」以外の価値を伝えないとお客様は買えなくなります
お客様の不満は、お客様のまだ形になっていない欲求です
「着けて行くところがないから、他の買う理由を教えてよ!」
お客様の心の声が聞こえます
プロの販売員の仕事は、そのお客様にとって大切な価値を見つけて伝えることなのです
モノにはどんな価値があるのか?
ジュエリーにはどんな価値があるのか考えてみると
感情に訴える、情緒的価値はジュエリーにはたくさんあります
いつか本物のジュエリーを買える自分になる!と思ったことはありませんか?自分の望みを叶える自己実現価値
自分の立場を示す役割、権威的価値は現代でもあります
美的価値は、美しいと思う度合い。私はダイヤモンドが太陽の光に反射し七色の光を見たとき感動したことを伝えています
芸術的な価値を持つジュエリーもあります
知的欲求を満たしてくれる歴史・文化がジュエリーにはありますし、このお店でジュエリーを買う、店やブランドに所属しているという帰属価値もあります
この商品は、あのお客様の「どんな役に立つモノなのか」商品とお客様を観て考えてください
きっとそのお客様に伝えたいことが出てきます
売上とファンを増やす行動とは
販売員はお客様のこと、例えば購入履歴やお仕事、家族などよくわかっています
今からはそのお客様の感情にフォーカスしてください
「どんなお客様ですか?」と聞くと「この前、ルビーのリングを買って頂き、その前はダイヤモンドのペンダントで…」お客様の買ったモノを話していませんか?
私が知りたいのはモノではなく、ヒトです
ヒトを観る → 質問をする → 話を聴く → 提案、価値を伝える
売上とファンを増やす販売に必要なスキルは「質問力」と「傾聴力」です
最後に質問です
「あなたがお客様に伝えたいジュエリーの価値を1つ教えてください」
「お客様が求めているジュエリーの価値は何だと思いますか?」
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